日がな一日主婦の趣味ブログ

本と映画とエトセトラ

【感想・ネタバレあり】ヤングガン――nice to meet 西部劇 ――

西部劇はじめましてということもあり、映像自体がすごく新鮮で、まず日本では見ないロケーションに感激。

 

緑が殆どなくて、岩だらけで、馬が走ってて・・・。リアルにある(あった)んですよね、こんな世界がさ。

低俗に言えば「映え~~~エモ~~~~~三(卍^o^)卍」ってやつです。

外国人が日本の時代劇をみて「サムライ!!!!三(卍^o^)卍」ってなるのとおんなじかも。

 

 

 

で、西部劇といえばガンアクション!

近代的なアクションに比べると派手さはないのですが、趣は抜群。

荒野でカウボーイが銃撃戦やってるってだけで、画になるのです。なお勝負に負けた(死んだ)ものは、荒れ地に倒れ、取り残されるまでがワンセット。

 

あーー西部劇といえばコレだよねっていう。伝わりますでしょうか^^;

(自分の文章力のなさが憎い)

 

はじめましての自分が、あるあるも何も語るのがおこがましい感じもありますが、

 

とにかくアメリカ西部の文化というのか風土というのか、この世界観、私は凄く好きだなあ。

 

 

そしてロケーションだけでなく、ストーリー展開も素晴らしい。

この作品は史実を基に作られていて、「ビリー・ザ・キッド」という義賊がモデルになっています。

 

「強大な権力に対し、社会的弱者はどのように立ち向かうのか」

これがストーリーの大きな軸と言えるでしょう。

 

 

 

物語冒頭、警察に追われている主人公のビリーをタンストールという英国紳士が助け、彼の家に匿います。そこにはビリーの他にも同世代のヤングガン達が数人同居していました。

タンストールは、こういった身寄りのない少年を引き取り面倒をみていたのです。

みんなで勉強しているシーンが微笑ましい。そしてみんなナイスルッキングガイ。

 

©1988 Morgan Creek Productions, Inc. 



 

しかしタンストールは

知事や警察とも繋がっているような地元有力者マーフィと対立し、殺されてしまうのです。

 

エスタンの世界では優しくて、誠実なだけでは生き残れません。

ここではいかに「力」がものを言うか。まさにアウトローな世界(ブルブル)

 

 

しかし、誰もがマーフィ側についているというわけでもなくて、タンストールと懇意にしていた人間も存在します。その一人、弁護士アレックスが、残されたヤングガン達にマーフィ一味を逮捕できるよう彼らを臨時保安官として抜擢するわけなのですが……

 

ここからが一気に物語が動きます。

 

逮捕せよと命じられていたのにも関わらず、ビリーはマーフィ一味の一人を射殺。うっかりとかじゃないですよ、殺意MAXで射殺です。

 

ビリー以外のヤングガン全員「はああああああ???!!!」状態。

「おまえ!捕まえるだけ言われたやろうが!!」と仲間たちに責められても、めげないドラゲナイなのがビリー。

 

そこからお尋ねものになりながらも、順調にマーフィ一味を殺していき(ビリーは銃の腕前・敵の欺き方がすこぶる優れているのだ!)、当然ながらもう臨時保安官の資格も剥奪されているわけなのですが、なぜかビリーはマーフィ一味を殺すことをやめようとしない。

 

なぜ、そこまでして?これはただの復讐心からきているものなのか……。

だとしても流石にサイコパスがすぎるぜ、ビリーさんよ。

 

と思ってましたら、ビリーの口から真意が明かされます。

 

「こうして騒ぎにすれば大統領が動くだろ?」

 

ただ、マーフィ一味を捕らえただけでは、物事の根本的解決にはならない。

行政機関・治安維持部隊まで丸め込むことができるほどの権力者を失脚させるには、更に大きな組織を動かすしかないのですよね。

 

ここまで頭を回していたとは、いやはや天晴でしたね。

ここまで発想力に長け、且つ実行力も備えた若者は今日日なかなかお目にかかれませんわ。

(それだけ”今”が平和ってことね)

 

ですが、敵側もみすみすやられっぱなしで引っ込むはずもなく、むしろどんどん強大になっていくわけで。

 

 

最後は弁護士のアレックスをほとんど人質にとられた(嵌められた)形でヤングガン達は追い込まれるのですが(100対5とかの無理ゲー)、彼らの究極の選択と行動がクライマックスで、もう胸熱ですよ。

 

前述した通り、ビリー以外のヤングガン達は完全に巻き込まれ型で、ビリーがオラオラする一方でテンパりまくり&絶望状態の他ヤングガン達(実際一回離脱したメンバーも)

そらまさか自分たちが犯罪者側に回るとは思いませんわな。

 

それには強大な敵とは戦いたくない(戦わせたくない)彼らなりの理由があるから。

 

インディアンのとある部族の末裔(マジで生き残りが彼一人)のチャベスは、彼自身が生き残らなければ、一族の血が途絶えてしまう。

 

また、逃避行先で結婚したチャーリーも所帯を持つ以上、これ以上戦いに身を投じるべきではないのではないか、と仲間に諭される。

 

しかし、彼らの出した結論は「仲間が大事だ。俺は戦う」ということ。

 

最後逃げ出したと思いきや、馬を引き連れて戻ってきたチャベスにもう感動。

 

この結論を出せるってどんだけいい「仲間」なのよ。

妻の身の自分としては、チャーリーの決断は奥さんには酷すぎるなあと思いました。自分だったらどんな気持ちで送り出したらいいんだろうか。

でも男性ってこうやって大義を優先するところが魅力的だったりするからなあ。

 

要するに「男って馬鹿ね……(いいオンナ風)」ってなる、そんなシーン。

 

 

この最終決戦には、カメオ出演トム・クルーズが出ていたそうなのですが、普通に忘れてたし、あとで答え合わせしても「いや気づかんわこんなん」っていうレベルのチョイ役でした。

 

ビリーの最期をナレーションベースにしたのも英断で、なんていうのかなあ、ビリーはやることはすべてやりきった上での死なので、少し寂しさもありながらカタルシスも感じる。何とも言えない余韻でしたね。

 

 

 

 

これから西部劇ジャンルもちょこちょこ開拓していけたらな、と思います。

 

 

では、ここまでお読みいただきありがとうございました。