続いて私の妹のお話を。
妹は私が覚えてる限り、意思表示が乏しく
――それは拘りがほとんどないとも言えますが、
受験の際には
大学も学部も私と同じところへ進学。
大学受験は元々母親がドラゴン桜の阿部寛ばりに「国公立へ行けえ!!」と発破をかけて
本人もそのつもりで勉強はしていたようですが・・・
ただ、どこでもなんでもいいから国公立ってのはどうも気になる。
本人にほんとにその進路で大丈夫なのかと聞いても
「まあ国公立やし(?)」
「お母さんが言うてるし・・・」
しか返ってこない。
受験って子ども側の理想と親側の現実的意見を擦り合わせて、妥協点を見つけるもんじゃないですか。
私からみていて妹は絵や工作など美術が好きそうだったので「そっち方面行ったらどうよ」と打診したりもしてみました。
でも「あー・・・考えとくわ」で終わりまして。
結局そういった美術方面には受験票を出すこともなく、国公立は全落ちし、なんとか後期の試験で私の通ってた大学に受かったわけなのです。*1
で、我が家の方針として大学入学と同時に一人暮らしが始まります。
一人暮らし=干渉のない生活ということですが、
これまで他者からの干渉ありきで生活していた人間も
自身でいろいろ選択して実行しないと駄目になりますよね。
教授は何の管理もしてくれませんから、「自分で」カリキュラムを組んで、「自分が」授業・テストを受けて単位認定をもらい、卒業する。
4回生までは
突然「楽器買いたくてローン組んだ」と言われた以外は順調に見えました。*2
就職先も決まってましたし、あとは卒業だけ・・・・・かと思いきや
まさかの単位が足りず、留年決定してしまいます。
当時「実は4回生の秋学期の時点で18単位残ってて・・・」と聞いた時点で
正直な話「・・・4回秋で18単位はキツイわ」とは思いました。
前回も言ってる「空気読めない」と同意義なのがこういうところなんです。
彼女の友人達もみんな卒業してしまって、ひとりぼっちの5回生突入。
周りがみんな単位とってたらもっと焦らんかい。
なんでテストなしの提出物オンリーの講義で提出物出さんのや(なぜそれで単位が貰えると?)などなど。
だいぶ凹んでたのでここまで言えませんでしたが。
「自分遊びすぎたんで留年すわ、アハハ」みたいな自覚があるならまだしも、「私どうしてこんなことに?」ってなるのがまたこれ「なんでやねん!」って感じ。
そして親も親で。
卒業できないと判明した翌日に親子で学部の進路相談室に直談判。しかも親がメインで喋るとかいう・・・・・・他人のふりしたいレベルの恥ずかしさ。
まてまてまて、そこ親いらんやろ。仮にも22の大人やぞ、という私の思い。
100人中130人は共感いただけると思います。
※もちろんそんなことしても単位認定はされません。
そして再就活でも親から「どこでも良いからさっさと就職するように」と言われ、ほんとにさっさと縁もゆかりもなく、興味もない介護業界に決めるという。
ほんとにそこでいいの?って何回も聞いたんですが以下略。
レールがなければ、自分で何かをすることができない。
レール外して、「じゃあみんなと同じように行動するのよ。」もできない。
全然違うことしてるのに、誰も指摘はしないからこれで正解だと思う。
こうした思考回路のせいで、当然職場でも上手くいっておらず、他責思考悪化中の現在。ひと言で言えば病んでます。
ひとまず私からはたらきかけて
親の言う事ハイハイ聞くのやめな
というと、今度はこっちに依存しようとする。
「ちーがーうーだーろー!」と某議員になりそうになりながら、接し方を模索中。
さて前回書いた通り、夫の家庭は昭和のスパルタ式。うちの実家もそうだったのかというと、実は真逆。ルーズもルーズだったので遅起き遅寝は普通。ファーストフード、冷食、外食、惣菜超多しの家庭。
こんなんなので、はっきり言って結婚するまでは基礎生活力に関してダメダメの実のダメ人間でした。
義実家側が聞いたら確実に発狂します。
なのですが、これはおおらかとも言いかえることができて、
私が小学校低学年ぐらいに一度おねしょをしたときは、
「あらまー」だけで済ましてくれたり、
数学で20点を叩き出したときも
「あらまー(コイツ塾入れなヤバいわ)」
だけで怒られた記憶はございません。
では親の逆鱗に触れる行為は何になるのかというと
「親に何も報告しないこと」でした。
私は思春期、「今日どうだった?」と聞かれて「別に(沢尻エリカ)」になることは日常茶飯事。*3
それによって他所の人から「〇〇ちゃん前何々してたんだってね~、すごいね〜」と子どもからではないところから情報が入るのが駄目らしい。
思春期なんて自分のことを親にべらべら話さないのが普通かと思いますが、それがNG。
「なんで◯◯したってこといってくれないの?!お母さん知らんくて恥かいたんやで!!!」って何回言われたかわかりません。
他所の人から険悪な家族という印象を持たれたくなかったんでしょうが、
「言ってくれなくて悲しかった」とかじゃなくて「恥かいたんやで」って・・・
当時私からすると圧倒的
SHI☆RA☆N☆GA☆NA
基本的に全く非なる我が家と義実家ですが、大きな共通点はコレですね。
他人からの評価を気にして、理想の子ども像に当てはめようとする。
双方とも別に億万長者になってほしいとか、人から一目置かれてほしいとかそんな高望みはしてなくて、
普通の大人にしたかったんだと思います。
普通に働いてお金稼いで、できれば結婚して、子ども産んでみんなでハッピー。みたいな。
でもこれも結局は親の都合なわけで、
経済力をつけることを目標にして子育てをすると、どこかにひずみが生まれます。(略)
お金があっても、自分1人では生きられないのです。
妹は留年こそしましたが、
大人の思うちゃんとした会社でいわゆる「普通の社会人」をすることはできています。
お金に困ってるフシもない。
介護業界であれば、今後食いっぱぐれることはないでしょう。
では彼女が自立した大人の女性か?と聞かれれば――私が言うのも烏滸がましいですがそれは間違いなくNOなんです。
やはり依存体質が、今も大きすぎるネックになっている。
妹から職場の話だけ聞いていても、仕事に対する姿勢があまり真摯とは言えないし、
本人は全くその自覚もない。
ちゃんと稼いではいるけど確かに歪みがあるんです。
妹自身の本当にしたいことはなんなのか。
自分だけの「道」をアラサーになって初めて開拓しなければならない。
当然長期戦で、結局最期までこのままの可能性も十分あり得る。
なので、これから私達親は「社会人にすること」を目標に子育てをするのではなく、
いかにして、「その子だけの何か」を見つけていかないと駄目なのだろうな。
周りと同じ様にできるならそれでいいし、違うなら違うでそれは特別だと思えばいい。
でもそういう考え方するの死ぬほど難しいんですけどね。私も一生葛藤してる気がする。
つい熱くなって長々書いてしまいました。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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