日がな一日主婦の趣味ブログ

本と映画とエトセトラ

本-サリンジャー

フラニーとゾーイー続き ――神の存在について考える

続きましてゾーイー編に参ります。 こちらの作品の一番おもしろいところは、語り部がグラース家次男のバディであること。 (『フラニー』はただの三人称スタイルです) 設定としては作家であるバディが自身の家族の物語を散文形式で書いてみました、というて…

フラニーとゾーイー ――エゴと信仰

皆さんは「信仰」というものを考えてみたことはありますか? (いかがわしさの否めない出だし) 神様を信じるってこと?神様に祈りを捧げること? そもそも、神って誰?なに? 祈るってどういうこと? 無宗教の多い私達日本人にはピンときにくい記事かもしれ…

ライ麦畑でつかまえて ―人には勧められない不朽の名作

私がこの作品を超名作と評していながらも、人にはおすすめできない理由。 そのひとつは主人公ホールデン・コールフィールドがどうやっても救われない物語だから。 病気や事故で死んじゃうとかそんな安っぽいオチではありませんよ。いわばこれは人間に産まれ…

【再投稿】【感想・考察】ナイン・ストーリーズ ―テディ―

〈2024.1.16追記〉 以前書いた記事になりますが、大幅に補足を加えております。*1改めて目を通してみて割と表現が分かりづらく不親切だなと個人的に感じたのと、今読んでいる『大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア-序章-』にて新たに気づきがあったためで…

【感想・考察】ナイン・ストーリーズ ―ド・ドーミエ=スミスの青の時代―

今回少し長くなりました。お時間あればお読みくださいませ。 同著者の「ライ麦畑でつかまえて」と似通った作風ですが、こちらは「若気の至り」としての毛色が強いかな。 この物語の語り部は、26,7歳の大人になったド・ドーミエ=スミス(以下スミス)が 養父…

【感想・考察】ナイン・ストーリーズ ―愛らしき口もと目は緑―

後にも先にも登場人物が大人のみなのはこの作品だけかな。不倫関係を軸とした男女の三角関係のお話です。 とういうわけで以下本題へ。 主人公と一緒にいる女性は? 女性特有の頭脳の良さ なぜアーサーは「目は緑」という詩にしたのか 最後のアーサーはどうな…

【感想・考察】ナイン・ストーリーズ ―エズミに捧ぐ〈愛と汚辱のうちに〉―

エズミに捧ぐは話のメリハリ(というか落差?)がしっかりしていて、なによりここまで読み進めてくるとなんとなくサリンジャーの傾向も掴めてくる分、読みやすく感じました 愛と心の傷 さいごに 愛と心の傷 ノルマンディー上陸作戦に行く直前、エズミという…

【感想・考察】ナイン・ストーリーズ ―小舟のほとりで―

ようやくナイン・ストーリーズも折り返しです。今回は文量としてもだいぶ短めで、さらりと読めますよ。 ただ、さらりとしている分、解釈をアウトプットするのにめちゃくちゃ骨が折れました。 というわけで以下考察と感想です。 小舟のほとりとは? 子どもの…

【感想・考察】ナイン・ストーリーズ ―笑い男―

攻殻機動隊でもおなじみ笑い男。 すっごいメタファーだらけだよ~~といろんな記事で読んだ通り、一回読んだだけはほんっとに意味がわかりません。 このお話は男女の恋愛と別れを描いたものですが、ほとんどを団長の創作ストーリー「笑い男」が締めています…

【感想・考察】ナイン・ストーリーズ ―バナナフィッシュにうってつけの日―

順番前後しまして、サリンジャーの代表作のひとつともいえるバナナフィッシュにうってつけの日。私がサリンジャーを初めて知ったのもアニメ作品「BANANA FISH」(原作は漫画)を観たときでした。もうだいぶ前なのに時たまアッシュのことを思い出しては、胸が…

【感想・考察】ナイン・ストーリーズ ―対エスキモー戦争の前夜―

この作品の一番の謎は、終盤のジニーの心変わり。その理由に関して深読みするものでもないのか、それとも凝ったメッセージがあるのか・・・。簡単なようで難しかったですが、脳みそフル回転で考察していきたいと思います。 タイトルの意味 死んでしまったヒ…

【感想・考察】ナイン・ストーリーズ ―コネティカットのひょこひょこおじさん―

数年前アニメ作品でサリンジャーを知り、気にはなっていましたが、なんやかんや後回しに。ようやくアラサーになったこのタイミングで読むことができました 逆にこのタイミングで読めて良かったかもしれません。 当時の人生経験皆無のおこちゃまだった自分が…