「プラダを着た悪魔」「デンジャラス・ビューティー」など冴えなかった女性が変身するシンデレラものは数あれど、「プリティ・ウーマン」は断トツでNo.1に君臨しました。
ありがとう金ロー。もっといろんな洋画流しておくれ。
一般人のジュリア・ロバーツ演じるヴィヴィアンとリッチマンのリチャード・ギア演じるエドワードとの経済的格差恋愛なのですが、ここで誤解してたのが少女漫画のような甘~~~~~~~い!!恋愛なんかではないということです。
そもそも二人の格差が天と地、月とスッポンほども違います。
ジュリア・ロバーツが娼婦で、リチャード・ギアは一回の取引10億ドルとかいうバケモンリッチマンなんです。成金とかそんなレベルとは違います。
というわけなので、家族で観るとちょっと気まずくなるシーンも。
(でもジュリア・ロバーツがリチャード・ギアにコンドームを選ばせるシーンは、ある意味性教育的だと思いましたよ)
もうね、冒頭のロサンゼルスの描写から予想を裏切られてるんですよ。
ロスって映画を始めとするエンターテイメントの都市で華やかなイメージあるじゃないですか。
あえてその部分ではなく、立ちんぼのお姉さんや薬物取引なんかの「夢破れたであろう者たちの果て」を見せられることで、(ああ、これは頭お花畑系映画ではないのね)となるわけ。
こういった背景を冒頭で明確化してくれるのは映画素人的にはありがたい。
最初から映画とのバイブスをあわせやすくなるので。
ではここで、「プリティ・ウーマン」を昔から知ってる方々からしたら、n回目n人目の「はいはい、またこれかよ」というような感想をクソデカボイスで失礼します。
ジュリア・ロバーツ愛おしすぎる~~~~~~~!!!!!
娼婦のときもレディになってからも全部が好き過ぎる~~~~~~~!!!!!!
「これは全女子が観るべき・・・」みたいなちゃっちいツイートとかしたくなるぐらいヴィヴィアンが「女の子の理想」「理想のシンデレラ」すぎる。
娼婦のときはガサツなんだけど、楽しいことには素直で子どもっぽいあどけなさがある。おそらくエドワードはそういったヴィヴィアンに惹かれて一週間の専属契約をするわけですね。言わば、セレブリティな御婦人の役割を一週間することになるのですが、
このレディに仕立て上げられたジュリア・ロバーツが眩しいのよ。もう直視できないレベルで美しいの。もはや魔法なの。
胸元がはだけている服すら気品を漂わせられるなんて、これが女優の気迫・オーラなのだなあ。
© Buena Vista Pictures
もちろんアン・ハサウェイやサンドラ・ブロックも見惚れる美しさでしたが、ジュリア・ロバーツはギャップが段違いすぎる。
マブシイ!マブシイ!とモグワイのようにのたうち回りたい衝動をなんとか抑え込みました。そしてシンプルに泣きそうになりました。美しすぎて。
しかもレディを演じていくに連れて、ちゃんと心も自立した立派なレディになっちゃうっていう、そこに至るまでの心の機微も共感しかないよね。
このへんで見苦しくなってきたので、浮かれた感想はここまでにします(笑)
さて、プリティ・ウーマンは旦那と観ていたのですが、終わったあと旦那に
「おもしろかった?」
と聞くと
「ぜんっぜん(おもしろくなかった)」
と(笑)
安心してください。
そうだと思ってましたので全然ワタクシにダメージはありません。
更に突っ込んで聞いてみました。
「どこがアカンかった?」
「いや、要するに男はカネと顔ってことでしょ?」
・・・・・・・・はい、悔しいですがその通りです(苦笑)
更に言うならば
エドワードにオペラへ連れて行ってもらってヴィヴィアンが感動するシーンや
ヴィヴィアン主導のデートで公園でゴロゴロしたり、ダイナーでごはんを食べるなど庶民的デートを楽しむシーンでわかるように
エドワードは昭和の頑固オヤジや亭主関白のようなタイプとは違って、
穏やかで、でも色気もあって、デートのチョイスも完璧で相手に合わせられる器量もある。
これもまた、女性の理想の男性像なんだ・・・と追い打ちをかけることはしませんでしたが。
すまん、女性は男性諸君が思っているより欲張りなんだ。三平三低なんて言うけれどやっぱり顔が良くて、お金があって、器量もある男性がいいのよ・・・。
でも、全部は手に入らないって大体の女性達は理解して身の丈に合った生活をしているから許してください。
というわけで、彼ピッピや旦那さんと観てみるのも自分と全くもって反応が違うので、感想を語り合うのが楽しいかもしれませんよ。
脇を固める演者たちもすっごい良い味出しているのも見どころです。
ヴィヴィアンの親友キットの姉御肌気質。最後お別れのときに「湿っぽいのは苦手だから見送らないよ」っていうのがかっこいいですよね。それで二人、ハグをするシーンはウルッとくるよ。キットってそんなに出番ないのにあそこまで存在感出せるのは、あのキャラあってこそ。
もう一人、エドワードの友人のスタッキー。悪い人ではないのでしょうが、ヴィヴィアンのことは終始娼婦としか見ていないクズ・・・と言いたいところですが、悪役と決めつけにくいキャラクター。彼がこのラブ・ストーリーに深みを与えていると言っても過言ではない。金持ちと娼婦の越えられない壁はこの作品の大きなテーマなので私は彼のことは嫌いではない。ヴィヴィアンに対する言動が非常によろしくないのは前提ですけどね。
最後のお約束のようなロマンス展開も私は好きです。
(さすがに最後セリフがクサすぎる)と思ったけれど、良いの良いの。焼肉食べたあとにお寿司食べるようなもんだから。あくまで理想だからね。
まさにロマンスが有り余るとはこのこと。お腹いっぱいご馳走さまでした。