日がな一日主婦の趣味ブログ

本と映画とエトセトラ

レミーのおいしいレストラン ――レミーとニャースの境遇が一緒だったってハナシ

我が家の息子、エンドレス『Mr.インクレディブル』シリーズから移行しまして、今は『カーズ』にドハマリ中。

 

 

keishumin.hatenadiary.jp

 

 

そしてほとんどセリフ空で言えてしまうほど、インクレディブル漬けだった私。

観れば観るほど作品への好感度が上がっていき、サントラまで買ってしまいました。*1

 

 

 

さて『Mr.インクレディブル』シリーズと同じ監督作品の『レミーのおいしいレストラン』

公開当時の評判としては(あくまで私の周り)

「ひたすらネズミが汚い」というネガティブ勢が圧倒的に多く(というかその感想しか聞かなかった)、気にはなってたのですが劇場へは観に行かなかったのです。

 

なのですが、この歳で初めて『レミー~』を観まして・・・

 

 

 

泣きました。

感動の涙です。

料理評論家のイーゴが幼少期を思い出したあのシーン。

あそこが私には駄目でした。勝手に涙がハラハラリ・・・。

 

 

「誰でも名シェフ」

このフレーズ自体がひとつの伏線。ネタバレになってもアレなのでこれ以上は書きません。

 

 

Mr.インクレディブル』シリーズでも感じてましたが、ブラッド・バード監督の描く家族像がすごい良いとこついてるなと思う。

夫と妻、親と子。それぞれの微妙なすれ違い。お互い正しいことを主張するからこそ諍いが起きたり。でもちょっとしたことで認め合えたり。

 

お手本の家族像ではなく、現実的で理想的な家族。でも実際はなかなかこうも上手く分かりあえることはないですが。

 

 

ただ、「子どもをいかに大切に思っているか」というのは痛いほど伝わる。

この思いはきっとどの親も本物なんだよなと思えます。

 

 

ストーリーの構成も見事としか言いようがなくて、エピソードの取捨選択が上手い。

今回の場合だと五つ星の料理人グストーのバックグラウンドは殆ど謎に包まれたまま。

そこは『Mr.インクレディブル』シリーズも似ていて・・・

想像の余地が沢山あるので考察書きたいのに、最近は寝かしつけしてそのまま朝までコースになることが多いのです。

おかげで9時就寝6時起床というこれまでの人生で一番健康的な睡眠生活ができています。

 

 

話を戻しまして。

公開当時(10代ピチピチ)にもし劇場へ観に行っても、周りと同じく

「ネズミが汚い」で終わってたと思います。

 

ここなんですよね。ほんとにネズミは汚いんです。これはホント。

質感や動き、サイズ感が妙に生々しく、お世辞にも手に乗っけてモフりたい衝動には駆られないビジュアル。しかもそれが群れをなして急に出てくることもある。

実際コレットが厨房でネズミの群衆を見てえずいているシーン、「凄いわかるわあ」って思いました。

 

 

これが某でんきねずみとかああいう感じなら、もっと幅広い層にウケたかもしれませんが、たぶんココは監督のこだわりの一つもだろうと推察します。

 

可愛いビジュアルにするとレミーの苦悩がぼやけてしまうんです。

だって人間ウケのビジュアルだと愛玩としての道が確保されてしまうじゃないですか。

 

それじゃ駄目なんですよね。

レミーはどう頑張ってもドブネズミ。そこを強調したかったのではなかろうかと。

でも人間以上の料理センスがあり、人間と同じ感性を持ち得ている。

 

このどちらにも属せないとも言えるし、ある意味どちらをも超越しているとも言える存在感がアニポケニャースと似ている。

レミーも人語は理解しますしね。喋れないけど。

 

ただ、ニャースと明確に違うのは

レミーはまだ「料理人」という確固たる軸が存在したからいいものの、ニャースの場合はそれがない。

社会で活かせるものがないから、ロケット団の下っ端でジリ貧生活しているんですよね。

 

 

 

全然接点のないアニメなのに、同じテーマ性。だけど着地点がそれぞれ違うのも面白いです。

レミーの場合はネズミであり料理人(人間)。どちらも本当の自分。

ポケモンの場合――『ミュウツーの逆襲』で言うなれば本物は本物だし、コピーはコピーでそこの壁を超えることはない。でも本物だってコピーだって「みんな生きてる」

それだけで充分ではないか。

 

 

keishumin.hatenadiary.jp

 

 

国が違っても抱える苦悩自体は同じなのだろうなと思います。アカデミー賞取ってますからね、レミーは。『ミュウツーの逆襲』も海外で1番売れた国内アニメVHSとかだったような・・・とにかくミュウツーも海外での評価は高いです。そうじゃなかったらハリウッド版の『名探偵ピカチュウ』にミュウツー出さないよね。

 

私は今は社会から一歩退いているともいえる存在だからか(働いてないという意味で)めちゃくちゃレミーに共感してしまいました。

なんならレミーのほうがよっぽどしっかりしてます。

それでもレミーはドブネズミで、私は人間なのです。

 

 

 

 

(余談)

パリディズニーランドのレミーレストランがめっちゃフランチャイズグストー味があって*2ちょっと笑ってしまいました。

そこは「あの」ラタトゥイユじゃないのか~~~。

レミーの雰囲気を味わいたいなら普通にパリ市内散策するほうが有意義かも。なんならフランスのネズミ見て「あ!レミー!」って言ってみたいなーなんて。

そもそも海外旅行自体いつ行けるか・・・未定も未定ですが・・・。

 

 

*1:ブックオフで見つけてしまった

*2:なんかアメリカンなのよね