日がな一日主婦の趣味ブログ

本と映画とエトセトラ

呪術廻戦0 ――たぶん観る順番を間違えた――

鬼滅の刃無限列車以来のアニメ映画。

 

原作未読。アニメは一通り履修して臨みました。

鬼滅派?呪術派?と聞かれれば根暗な私は呪術派です。

今のところ野薔薇ちゃん推しのライトな視聴者です。

 

知識不足についてはご容赦ください。

(ヤホーレビューがいささか殺伐としてて怖かったので・・・)

 

では、本題へ参ります。がっつりネタバレします。

 

こちらの作品も以前感想をアップした「ドリーム」同様、個人的もったいねえ部門にノミネートさせていただきました。

 

 

呪術廻戦は呪いVS呪いというのが基本構造で、いかに登場人物たちが自分の負のエネルギーを駆使できるかにフォーカスされた、王道のダークファンタジーでございます。

野薔薇ちゃんのご近所さんや、伏黒くんのお姉さんにも見られる通り、グッドメンなキャラクターは悲惨な目に遭いやすい。

その最たる例が順平くんなわけで、この放送回をみたときは久しぶりにめちゃくちゃ落ち込んで、pixivに助けを求めました。

(それだけ心に響いた良作だったってことかな!)

 

そんななかで、呪術廻戦0のプロモ映像を見たときに「はああ!そういう着眼点もあるか!」と斬新に思ったのが、

交通事故で亡くなってしまったリカちゃんが乙骨先輩への「愛」で特級呪霊となってしまうというもの。

 

世界観はダークなのにも関わらず、男女の「純愛」をパワーの源とするという発想なんですが、確かに「愛」って行き過ぎれば「執着」「依存」とか意外と負の側面も強いよなあと。

 

憂太とリカちゃんは間違いなくお互い愛し合っていて、「人間と呪霊同士だけど一緒に居たっていいじゃん」と思われるようで、実際蓋開けてみたら全然これじゃあ良くなさそう。

リカちゃんのビジュアルや「憂太゛太゛ア」みたいな苦しそうな声がめちゃくちゃ不安感を煽ります。

 

ですがこういう矛盾は誰しも抱えるもの。

我が子ですら「可愛さ余って憎さ百倍」なんてこともありますもん。

 

というわけでの私の中で「コレ絶対おもしろいやつ」という直感が働いたのと、純愛✕バトルものという有りそうで意外とない物珍しさと興行収入100億っていうのも相まって、期待値が爆上がり。

プロモ映像に騙されるな、興行収入=傑作は成り立たないと何人もの先人たちが警鐘を鳴らしていたにも関わらず。

 

というかそもそも間違っていたのが、呪術廻戦0って本編のパイロット版だったんですよね。

なのでところどころ「ん?」って違和感レベルですが、気になるシーンがあったりする。五条先生のパワーヒエラルキーとか。TVシリーズではめったんこに最強なキャラで、両面宿儺すら軽くいなしてましたよね。

百鬼夜行のとこあんな呪術師呼ばんでも五条先生ひとりでどうにかなったんでね?とか。

百鬼夜行が東堂先輩の武勇伝になってた割には、特級呪霊レベルのバトルがあったようには見えなかったし。

(見えないところでバトルしてたのかもしれないけど)

キャラ同士が会話してるときも、なんか妙にTVシリーズで話してたことの反復みたいなシーン多いな、とか。

(これも乙骨先輩目線だからといえばそうなんですけど)

 

というわけで何が言いたいかというとタイトルにもあるように、「観る順番間違えた」です。

そらパイロット版って知ってたら(今より当然荒削りになるだろうし、鑑賞は見送ろう)とか、(本編とは別モノかもしれないな、敢えてTVシリーズは何も見んと挑もう)とか別のアクションを起こしたのに。

 

映画観るならTVシリーズ予習しとかな!って逆に意気込んでしまって完全に空回りました。

 

ほんま順番とテンション間違えた。

 

ていうかよくパイロット版をそのまま右から左で映像化しようと思ったな…などと思ったり。

 

「あ~こういうキャラも出るのね~フムフム」と本編を楽しむための副読本的な話かよチキショー!ってコウメ太夫になってしまった私です。

 

 

で、作中イチかっこよ~~~~!!な

憂太「失礼だな、純愛だよ」

サマーオイル「ならこちらは大義だ」

ってここめっちゃいいクライマックスじゃないですか!

 

ここに向けてもうちょっとドラマ部分肉厚にして欲しかったという結構強め願望。

愛と大義ってめっちゃ刺さるこというやんけー!とは思ったんですけど、

 

それまでにリカちゃん一回暴れたっきりほぼ出て来ない。その間憂太は同期と仲良くなっていって楽しそうだけど。それでも憂太に尽くす健気なリカちゃんって言うのがちょっとしっくりこない。同期達とのやり取りより、もっと「純愛」に振り回される二人がみたいなあと思いました。

(まあツンデレ真希先輩見れたしええかあ)

 

また、夏油は「大義」っちゅうけどたぶん劇場にいる人誰一人として同情はしても共感はしてないと思う。自分一人だけの「大義」ほどイタイもんはありませんよ・・・。あんな「猿猿」いうてたら流石に小物感が凄かった・・・。

 

 

あと、できたらバトルシーンももうちょい尺とって欲しかった(本編のパワー設定どおりの五条先生に一括で祓ってもらえば、時間は浮くじゃないですか←)

夏油さん必殺技出すの早すぎて、リカちゃん召喚した割にあんまり戦えてなかったし。

 

憂太とリカちゃんのバディがもっと観たかったです、わたしは。

 

 

オチもよかったのになあ。

リカちゃんが呪霊になったのではなく、死を畏れた憂太がリカちゃんを呪霊にしてたっていうね。

 

そしてサラリ明かされる五条先生のご先祖が菅原道真

結構系譜とか血筋が大事っていうのはこういうことね。辿っていけばみんな祟りとしての有名所に行き着くわけだ!

 

 

そんな感じで消化不良のまま、リカちゃんは成仏してしまい・・・。

なんか戦うときだけ召喚するだけの、要するに都合いいオンナの典型みたいな印象が拭えなかったよ。

もうちょっとトラブルメーカーになってもよかったんじゃないかなあ。どうしても最終的にはいい子なリカちゃんがもったいないなあと。

 

せっかく少年誌の類で「愛の負の面」だって描ける土台を作ってきたんだから、制作陣の工夫ももう少し観たかったな、というところ。

 

原作に忠実にしたんです!って言われたらどうしようもないけどさ。

 

 

ちょっと辛口気味になりましたが、アニメ2期も楽しみに待ってようと思います。

映画からの宿題、悟と傑に一体何があったのか。

 

気になるよね~~~~(いとうあさこ

 

 

 

ではでは、ここまでお読みいただき、ありがとうございました。