今月のラインナップはこちらです。
- イコライザー2
- マネー・ショート――華麗なる大逆転
- アライバル/侵略者
- ホワイトハウス・ダウン
- ロミオ・マスト・ダイ
- アジャストメント
- プリティ・ウーマン※別途感想あり
- ザ・グリード
- コマンドー
今月は割りとどの作品もおもしろくて*1、甲乙つけがたかったのですが、全部感想を記事にするほどのパワーがございませんでしたので泣く泣く絞りました。
マネー・ショート――華麗なる大逆転
「サブプライムローン」を題材としている作品。ドキュメントタッチで描かれるので、事前に「サブプライムローンとはなんぞや?」というのをざっくりでいいので予習しておいたほうがいいかも*2。一応全体像をバスタイム中のマーゴット・ロビーちゃんが説明はしてくれますし、他豪華スターの箸休め的解説は非常にわかりやすいのですが、如何せんテンポがすっごく早いので。
とはいえ、いろんな用語用語だらけで意味がわからないのもしょうがない。
「こうやって難しい言葉を並べ立てて煙に巻こうとするのがここの連中(ウォール街)のやり方さ」って作中誰かが言ってたので。ゴズリングだったかな?
ちなみにあらゆるレビューでも言われているとおり、「華麗なる大逆転」という副題に「ん?」と違和感をありありと感じたのは私も同様でした。
むしろ物語の終わりはなかなか鬱々としていましたけどね。
空売りで大儲けしているすぐ横に大損こいて路頭に迷うであろう人間がわんさかいるんです。当然ですね。
大逆転云々よりもこの映画の肝になっているのは「都合の良い幸せなどない」ということだと私は思いました。
マイケル・バーリを始めとする数人だけがサブプライムローンのデフォルトを予期していたわけなのですが、その他大勢の方々はそんな彼らを鼻で笑います。
日本で言えばトヨタが破産するぐらいの有り得なさなのかなぁ。
大量の需要に追いつくために、供給側がどのような戦略をとっているのか。金融業界にかぎらずこの映画のようなとんでもないカラクリで私達の生活が支えられている可能性は十二分にございます。
話が進めば進むほど、「この業界まじ終わってらあ」と頭を抱えたくなること必至。
ブラット・ピット演じる元証券マンのベン*3が、金融関係者と電話をしたり、握手をしたりするたびにアルコール消毒をする場面がありますが、それにめちゃくちゃ共感できるぐらい「卑し~~・・・」となるお話でした。
ホワイトハウス・ダウン
とにもかくにもポンコツお茶目なジェイミー・フォックスが拝めます。基本的にワルな役柄が印象的なジェイミーですが本作では平和主義者の大統領という役どころ。スローガンは「ペンは銃より強い」とかそんなんで、アメリカ内での武力縮小を公言。それゆえにホワイトハウス内で反対派によるクーデターが起こります。ひょんなことからSP志望の主人公ジョンとホワイトハウス内を逃げ回ることになったジェイミー・フォックス大統領。逃げ込んだ先でなにか武器になるものはないかと探すジョンに「あそこに大きな包丁があるぞ!」教えてあげる大統領に対して「美味しそうなサンドイッチが作れそうですね」とおとぼけやり取りにまず笑わされ。
途中拾ったロケットランチャーを平和主義者なはずの大統領がぶっ放したところで爆笑。状況が状況なのでしょうがないんですけど。しかも一発打って手が滑り、そのまま落としてしまうところで腹筋崩壊。
極めつけは今回の実行犯に対し「ペンはつよい!!!!」と言ってグサーッ!とやるところ。「ペンは強い」ってまさか物理かましてくるとは思わなんだ(笑)
とまあこんな感じで終始笑わされっぱなしでした。一応断っておくと多分コメディではないと思います。
ザ・グリード
午後ローのTwitterで引用リツイートやリプライ欄が盛り上がっている作品は観るようにしているのですが、この作品もその一つ*4。っていうか普段100いいねぐらいしかつかないのにこの作品に対しては3000いいねぐらいついていて、観る前から期待値は高かったです。
モンスターパニックのお手本のような映画で、似たテイストのものだとトレマーズが挙げられるのですが、ザ・グリードのモンスターはそれよりもおっかない。
モンスターの魅せ方がとにかく上手で、まずは襲われた豪華客船のカットがおどろおどろしい。船が血だらけで、わずかに生き残りはいるが、生き証人がいない。そこからもガン!ガン!とモンスターに攻撃はされるもののドアが凹んだりするだけでなかなか本体が現れない。何がこの船内にいるのか中盤までわからないのですよ。そして登場人物に真っ当な人間が一人たりともいないので人間同士でも騙し討ちのような状況になる。
もう今回の諸悪の根源がしぶといのなんのって・・・。
最近の映画によくあるモンスターとガンガン戦えるゴリラ系キャラはいない――すなわち全員所詮はただのヒトなので「つ、次は何が起こるんだ、誰が死ぬんだ・・・?」とハラハラさせられる。
話の畳み方もお上手で、悪役の吹っ飛び方といい、漂流した島での「お次は何だ?」のせりふといい、爽快感とワクワク感を最後まで損なわない、エンターテイメント性に富んだ映画でした。
「あー、たしかにこういうのを映画というのかなあ」と思ったり。評価が高いのも頷ける一作。
今月は以上です。
ではでは。